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持続可能な未来へ【家族農林漁業マガジン第15号】

· メルマガ

FFPJメルマガ=持続可能な未来へ【家族農林漁業マガジン第15号】を2023年4月18日に発行しました。

 

家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)とは

国連の呼びかけに呼応して、2019年6月に設立した市民団体です。国連「家族農業の10年」の行動計画を普及・啓発するため、国内における家族農林漁業を中心とした食料・農業・農村関連政策を提言し、国際社会が目指す「持続可能な社会の実現」に寄与する活動を行なっています。(FFPJはFamily Farming Platform Japanの略です)

 

メニューはこちらです。

1.【速報】FFPJの総会を5月28日に開催。ジェンダーや若手の視点で考える
  国連「家族農業の10年」に向けたシンポも

2.「小規模・家族農業を重視する農政へ抜本的転換を!」
  FFPJが国会内で集会。基本法見直しと国内行動計画で提言

3.2月のオンライン講座「食料・農業・農村基本法の総括と新基本法への
  視座」の内容を掲載

4.FFPJが国連・国際機関、農水省と懇談
  日本における国連「家族農業の10年」の取り組みで意見交換 

5.食料・農業・農村基本法改正に関する農水省との意見交換会に参加
  小規模・家族農業の位置づけなどを提起 

6.本の紹介「テーマで探究 世界の食・農林漁業・環境」全3巻刊行 

7.本の紹介『有機給食スタートブック』


◆ つながりカフェテリア さまざまな団体の情報から

(1)農政ジャーナリストの会研究会「酪農危機、どうする?」(2週連続)

(2)アジア太平洋資料センター(PARC)「自由学校」受講生募集中

(3)演劇 「老いらくの恋」−八十過ぎのじいちゃんが恋をした−
   原作=山下惣一「農の明日へ」


◎編集後記

 

1.【速報】FFPJの総会を5月28日に開催。ジェンダーや若手の視点で考える 国連「家族農業の10年」に向けたシンポも

家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)の第6回総会は、5月28日(日)に、オンラインを使って開かれます。午後1時30分から始まり、第一部では、パネルディスカッションとしてFFPJが提言した国連「家族農業の10年」の国内行動計画案をもとに、家族農林漁業を大切にし、永続可能な社会を創るために何が必要かを考えます。特に今回はジェンダーや若手の方を中心として、パネリストに次の方々を予定しています。

・青木美紗(奈良女子大学准教授、専門は地産地消、地域循環など)
・杵塚歩(静岡藤枝の有機栽培お茶農家、国際活動の経験も豊富)
・古賀瑞(青年環境NGO Climate Youth Japan代表、東京農工大学農学部生)
・斎藤博嗣(家族農業・自然農法実践者、「すべての人に農を!」推進)
・池上甲一(行動計画の起案者、FFPJ常務理事、近畿大学名誉教授)

また、パネラー発言をうけて、オンライン参加者を少人数に分けて話し合いも行います。第一部は会員以外の方も参加できます。
第二部はFFPJの総会として、活動経過報告や新年度の方針、予算などを決め、
役員の選出を行います。詳細は4月末頃に会員にご案内をします。総会に出席できない方は委任状を出していただくようお願いします。

2.「小規模・家族農業を重視する農政へ抜本的転換を!」FFPJが国会内で集会。基本法見直しと国内行動計画で提言

FFPJは3月17日、衆議院第二議員会館で院内集会を開き、「食料・農業・農村基本法」の改正に向けた提言および国連「家族農業の10年」の国内行動計画(案)を発表しました。会場とオンラインを合わせて60名の参加があり、国会議員も多数参加しました。
池上甲一常務理事(近畿大学名誉教授)が「食料・農業・農村基本法の改正に際して盛り込むべき視点」として10項目を提言、さらに国連「家族農業の10年」に向けた「家族農林漁業を強化する国内行動計画への提言」では、改めて日本の農業の中心は家族農業であることを強調しました。

集会の報告と録画(短縮版と全体版)はこちらからご覧ください。

FFPJの国連「家族農業の10年」の国内行動計画(案)と「食料・農業・農村基本法改正」への提言はこちらからご覧ください。

3.2月のオンライン講座「食料・農業・農村基本法の総括と新基本法への視座」の内容を掲載

FFPJオンライン連続講座第22回が「食料・農業・農村基本法の総括と新基本法への視座」と題して、2月17日に開催されました。講師は、FFPJ常務理事で近畿大学名誉教授の池上甲一さんです。現行基本法までの戦後農政の流れや課題、新基本法への視座などについて話されました。
池上さんの講座の記録(文書および録画)はこちらからご覧ください。

4.FFPJが国連・国際機関、農水省と懇談 日本における国連「家族農業の10年」の取り組みで意見交換

FFPJの村上真平代表などは3月16日に東京都渋谷区の国連大学内で、国連食糧農業機関(FAO)、FAO駐日連絡事務所、国連世界食糧計画(WFP)の代表者らと、日本における国連「家族農業の10年」の取り組みについて懇談しました。また、同日、横浜の国際農業開発基金(IFAD)日本連絡事務所も訪ね、同じく意見交換をしました。
さらに、17日は農林水産省を訪ね、「食料・農業・農村基本法」見直しも含めて、FFPJの提言を説明し、国内行動計画を策定するよう求めました。今後も情報・意見交換や連携・協力をしていくことを要請しました。
詳しい内容はこちらの報告をご覧ください。

5.食料・農業・農村基本法改正に関する農水省との意見交換会に参加 小規模・家族農業の位置づけなどを提起 

3月29日に農林水産省内で「食料・農業・農村基本法」改正に関する有機農業関係団体(19団体)との意見交換会が開催され、FFPJから久保田常務理事(日本有機農業研究会理事)と関根常務理事(愛知学院大学教授)が参加しました。FFPJの提案をもとに、小規模・家族農業を政策対象として位置づけることや、エネルギー生産性の視点や、アグロエコロジーの視点を導入するこ
となどを訴えました。
詳しい内容はこちらの報告をご覧ください。

6.本の紹介「テーマで探究 世界の食・農林漁業・環境」全3巻刊行

本メルマガ14号でもご紹介した、FFPJ副代表の二平章さん、常務理事の池上甲一さん、斎藤博嗣さん、関根佳恵さんらが編著者となり、常務理事の宇田篤弘さん、久保田裕子さん、松平尚也さん、事務局の岡崎衆史さん、会員の星野智子さんなども執筆した全3巻の「テーマで探究 世界の食・農林漁業・環境」が刊行されました。農林漁業はいのちと暮らしに深くかかわり、地域、森・川・海、日本や世界とつながっていることを、問いから深めるシリーズで、第1巻「ほんとうのグローバリゼーションってなに?」、第2巻「ほんとうのサステナビリティってなに?」、第3巻「ほんとうのエコシステムってなに?」から構成されています。

中学・高校生の探究学習のテキストや参考書、環境や農林漁業を専門とする大学のゼミ・講義の副読本にもなるものです。出版は農山漁村文化協会(農文協)、B5判型で144頁。定価は各巻2,860円、3巻セット8,580円(税込)

*詳しくはこちらをご覧ください。

7.本の紹介『有機給食スタートブック』 

4月に 靍理恵子・谷口吉光編『有機給食スタートブック 考え方・全国の事例・Q&A』(農文協・1980円税込)が出版されました。FFPJの吉野隆子理事や関根佳恵常務理事も寄稿しています。
有機給食(オーガニック給食)が全国的な盛り上がりを見せ、農水省も「みどりの食料システム戦略」で支援を位置づけています。本書では地場産給食との関係を含めて有機給食のもつ意味をわかりやすく整理。有機給食に早くから取り組んできたところと比較的新しいところ合わせて10事例を紹介。有機給食をすすめ方をQ&Aでわかりやすく解説しています。
*詳しくはこちらをご覧ください。

◆ つながりカフェテリア さまざまな団体の情報から 

さまざまな団体の情報コーナーです。イベント予定などを掲載します。お問い合わせ等は各団体に直接お願いします。また、情報の提供も歓迎します。

(1)農政ジャーナリストの会研究会「酪農危機、どうする?」

(2週連続)

高騰する飼料代や供給過剰により生乳廃棄・淘汰が実施されている最悪レベルの危機に直面する酪農の現状とその要因、国外との比較を踏まえて、日本の酪農政策の方向について考えます。農政ジャーナリストの会主催で2週連続開催。会員以外も参加出来ます。

第1回「酪農危機を読み解く」

 【日時】5月10日(水)18:00ー19:30

 【場所】東京都千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9階

     日本記者クラブ大会議室

     オンライン(Zoom)も併用

 【参加費】1000円(会員は無料)

 【講師】矢坂雅充さん(日本農業研究所 研究員)

第2回「酪農の危機と未来」

 【日時】5月17日(水)19:00ー20:30

 【方法】オンライン(Zoom)のみ

 【参加費】1000円(会員は無料)

 【講師】椛木円佳さん(株式会社マドリン代表、北海道広尾町で酪農経営)

詳細はこちら⇒ https://jaja-net.org/wp/

(2)アジア太平洋資料センター(PARC)「自由学校」受講生募集中 

PARC自由学校は世界と社会を知り、新たな価値観や活動を生み出すオルタナティブな学びの場です。1982年に開講して以降、アジア、アフリカ、中南米など世界の人びとの暮らしや社会運動を知るクラス、世界経済の実態や開発を考えるクラス、環境や暮らしのあり方を考えるクラスなど毎年約20講座を開講しています。

 【主催】NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)

 【6月からの主な講座】

1.「フィアレス・シティへの道—地域主権と公共の再生をめざして」

 権力や大企業・投資家などがつくるルールの強制から住民の暮らしを守るため抵抗する自治体「フィアレス・シティ(恐れぬ自治体)」が各地で生まれています。

2.「じゃなかしゃば」からポスト3・11世界へ—福島からの新たな一歩 「いまのようでない世の中=じゃなかしゃば」はいかに実現できるか」?

「水俣宣言」で謳われた希望の呼びかけを継承し、福島から考えます。

3. 学校給食という希望

食農教育、地産地消、まちづくり、持続可能な農業の推進など、多様な観点から学校給食の可能性について、日本と海外の事例を踏まえ考えます。

4. 新自由主義と闘った知の巨人、宇沢弘文—「人間のための経済学」はどう構想されたのか

 宇沢弘文の思想と理論は、現代の社会問題を考えるうえでの最前線といえます。それをどう捉え発展させることが可能なのか、考えていきます。

 この他にも多数の講座があります。

詳細・お申込みはこちら⇒ https://www.parcfs.org/

 

(3)演劇 「老いらくの恋」−八十過ぎのじいちゃんが恋をした−原作=山下惣一「農の明日へ」(創森社刊)

【主催】秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

【日時】5月24日(水)〜31日(水)

【場所】紀伊國屋ホール(東京都新宿区新宿3-17-7紀伊國屋書店新宿本店4F)

【料金】一般(全席指定)=前売り5,200円、当日5,500円 ※各種割引有

農業に従事するかたわら文筆活動を続けてきた山下惣一さん(佐賀県唐津市)は、間口が広く奥が深くてわかりにくい農業の問題を、畔道からの視点で歯に衣着せず痛快に、ときには辛辣に解き明かしてくれました。遺作となった「農の明日へ」に想を得て、農の、そして私たちの未来と希望を探ります。

◎編集後記

3月30日に東京・永田町の「憲政記念館」で、昨年、相次いで逝去された有機農業運動の中心的存在であった、埼玉の金子美登さんと鹿児島の大和田世志人さんの遺志を受け継ぐ「日本の有機農業の未来を語る会」(全国有機農業推進

協議会主催)が開かれました。FFPJ常務理事の関根さんが思いをFFPJのホームページで語っておられます。

 私も機会があって、金子さんの農場や大和田さんの有機生産組合を訪ねてお話を伺ったことがあります。お二人とも、自分のことを後回しにしても、人を育て、地域をおこし、やがて有機農業という大きな流れを作ってこられました。金子さんは多くの研修生を全国に輩出し、大和田さんは県内の有機農家を束ねて販路を作ってこられました。

 語る会では、お二人だけでなく、ここ数年、有機農業の先頭に立ってこられた方々が相次いで他界をされていることが語られました。第一世代から静かなバトンタッチが進んでいるのかもしれません。

 本メルマガでご案内しましたように、5月28日にはFFPJの総会とパネルディスカッションが開かれます。ぜひ、ご参加を。また、これまでご好評をいただいてきたオンライン講座については、今後、どのように行っていくか、現在検討

をしています。ご意見がありましたらお寄せください。(市)