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食料・農業・農村基本法改正に関する農水省との意見交換会に参加

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2023年3月29日(水)の午後、農林水産省で開催された食料・農業・農村基本法改正に関する有機農業関係団体(19団体)との意見交換会が開催され、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)からは久保田常務理事(日本有機農業研究会理事)と関根常務理事(愛知学院大学教授)が参加しました。

 

FFPJは、同年3月17日(金)の農林水産省訪問の際にすでに「食料・農業・農村基本法の改正に際して盛り込むべき視点」と題する提言書を提出していましたが、今回はその提言書にもとづいて関根常務理事が意見交換会で提案を行いました。時間の制約から、FFPJの10項目の提案のうち第3(小規模・家族農業を政策対象として位置づける)、第4(エネルギー生産性の視点を導入する)、第8(アグロエコロジーの視点を導入する)を取り上げました。出席者からは、FFPJの提案に対する共感の声が寄せられました。

農林水産省からは大臣官房、消費・安全局、輸出・国際局、農三極、畜産局、経営局、農村振興局、農林水産技術会議事務局の課長や室長が参加し、2023年3月27日に行われた第12回基本法検証部会の議論に関する資料が提供されました。

同資料によると、「規模の大小に関わらず付加価値向上を目指す経営体を育成・確保していくことが必要」「(個人経営が)引き続き効率的かつ安定的な農業経営の相当数を占めると想定され、地域農業に欠かせない経営発展意欲のある個人経営について、今後もその経営発展を支援する」(傍点筆者)という基本法見直しの方向が確認されたとのことです。

しかし、依然として「経営発展」が意味するものは経営規模の拡大や売り上げの増加、他産業並み所得といった経済的指標に偏っており、外国人労働者の雇用確保やスマート技術の推進、ほ場の大区画化等を通じた従来型の「生産性向上」(労働生産性の向上を主に意味する)の発想から脱却できていません。

そのため、FFPJは生産性や効率性を測る指標を変えて、エネルギー生産性などの新たな指標で農業経営を評価することが国際的流れであることを説明しました。私たちは、今後も引き続き基本法改正に関する意見表明を行ってまいります。

2023年4月1日作成

関根佳恵