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「令和の百姓一揆」は本年3月30日に東京で開催され、渋谷や原宿の道路をトラクターが走ったことで耳目を集めました。その後、「令和の百姓一揆」は各地に波及して、さまざまな取り組みが行われています。京都でも参院選の選挙運動がたけなわの7月12日(土)に、「関西令和の百姓一揆」(シンポジウム)が京都駅前の京都キャンパスプラザの第2講義室を舞台として挙行され、終了後には京都駅前で街頭宣伝・アピール活動も行われました。主催は関西よつ葉連絡会を中心に集まった実行委員会です。定員290人ほどの講義室が程よく埋まり、オンラインでも数十名の参加があったようです。
シンポジウムでは最初の基調講演者として、菅野芳秀さん(「令和の百姓一揆」代表)が「令和の百姓一揆、農民の怒りと希望」について熱く語りました。2人目の基調講演者として池上が登壇し、「農政の転換点と米価高騰の背景」について説明しました。その後、小林舞さん(京都大学)を司会に、基調講演者2名と堀悦雄さん(南丹市の米農家)、井崎敦子さん(京都市議会議員)の4人でパネル・ディスカッションが行われました。会場参加者も交えて、盛んに意見が交換されました。作り手も食べ手もお互いの立場を慮りながら、日本のコメを未来につないでいく大切さを考えるきっかけの集まりになりました。
ところで、私は日本の各地で「百姓」が当たり前のように使われたことに、非常に感動しています。「百姓」は長らく差別的な意味合いをもつ言葉として、当の「百姓」からも忌避されてきたからです。ビジネスライクの企業的経営だけでなく、自信と誇りを持つ「百姓」が日本社会にきちんと位置づけられるように努力を続けます。