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【報告】オンライン連続講座 ≪国連「小農宣言」「家族農業の10年」に学ぶ ~農と食から新しい社会をつくる~≫ 第1回に参加しました

たねと食とひと@フォーラム主催の「オンライン連続講座 ≪国連「小農宣言」「家族農業の10年」に学ぶ ~農と食から新しい社会をつくる~≫」の第1回で、常務理事の池上甲一が講演しました。

タイトルは、「『小農宣言』『家族農業の10年』」の理念です。聴視者は、有料にもかかわらず、100人ほど(後日のビデオ視聴も含む)にのぼり、関心の高さに驚きました。当日はたねと食とひと@フォーラムの入居しているビルの一室で講演をしましたが、この会場にも、わざわざ滋賀県からやってきた学生さんが参加しました。日本でも、小農や家族農業に対して熱い思いを持つ人が確実に増えていると確信を持ちました。また、オンラインだけではこういう出会いが持てないし、確信もうわべだけになりかねないという感想も持ちました。

講演は基礎理解編と応用編の2部構成です。基礎理解編は第1回のねらいである「国連小農権利宣言」と「国連家族農業の10年」の理念を学ぶための解説で、第2部は応用編でその理念をどう活かしていけるのかを考えるための素材提供が主な内容です。応用編では日本の小農・家族農業とはだれか、という問いかけに対する答えとして池上の調査事例から生き物農業と「小農の鑑」とでもいうべき人たちを紹介し、食と農をめぐる諸問題の根底にある工業的食農システムを乗り越える道としてのローカル化の強化を提案しました。

結論として、コロナ問題を社会変革のきっかけにしようとしている欧州連合(EU)の新政策の概要と日本で「小農宣言」と「家族農業の10年」の理念をどう実現するかという問いかけをしました。最後に、小農・家族農業の見直しのきっかけのひとつになった世界銀行イニシアティブのIAASTDの報告書(岐路に立つ農業)の公表から10年経過したことをきっかけに、最近発表されたばかりの報告書(『私たちの食料システムの変革』、”Transformation of our Food Systems”)に掲げられた8つの キー・メッセージを紹介しました。

講演後、司会者とコメンテーターを交えて議論をしました。話題は、国連で議論されてきた小農や家族農業の文脈が日本の状況と違うので、日本に適用することは難しいのではないかという疑問から、小農とは具体的にどんな人たちなのか、日本で小農が減ったり、高齢化したりしている中で先行きを展望できるのか、また村の人たちとどのように関係をつくったらいいのか、というような具体的な疑問まで広範囲に及びました。

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「国連家族農業の10年」開幕式(2019年5月27-29日)

開催概要

オンライン連続講座 ≪国連「小農宣言」「家族農業の10年」に学ぶ ~農と食から新しい社会をつくる~≫ 第1回

主催:たねと食とひと@フォーラム

日時:2020年10月17日

https://nongmseed.jp/archives/4328