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【報告】FFPJ第4回総会

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家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)は2021年5月30日、オンラインによる連続講座および総会を開催。各地でコロナ禍による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が継続される中、多数の方にご参加・ご出席を賜わりました。

今年3月にスタートし、3回目となる連続講座では、久保田裕子常務理事が「『みどりの食料システム戦略』と有機農業」と題したホットな話題を提供。同戦略が標ぼうするハイテク、バイテク偏重の環境適応策について、有機農業とは本来、伝統に学び、それに科学の光を当てて現代に活かすことだと評しました。

続いて行われた総会において、村上真平代表は「地球が様々な問題を抱え、切羽詰まった状況にある中で、人類は本当に持続可能な社会をつくることができるのか。残念ながら今の日本は、そうした方向に向かっているとは言い難い。私たちFFPJはこれまでの活動を俯瞰した上で、より具体的な活動の方向性を皆さんと一緒に考えたい」と挨拶しました。

次に関根佳恵常務理事が「第1期(2年間)の活動総括と今後の方針(案)」を提起しました。関根さんは、FFPJはこの2年間で多くの新会員を迎え、その活動を通じて農林水産業のあり方を、企業化・大規模化一辺倒から、家族経営、小農、アグロエコロジー重視へ転換すべく政策提言を行ってきたと報告。各メディアが国連「家族農業の10年」やFFPJの活動を取り上げるなど、一定の社会的評価が得られたものの、まだまだ小規模・家族農林漁業を支援する政策は少なく、日本政府は未だ国内行動計画を策定するに至っていないと語りました。

第2期の活動に関しては、次期森林・林業基本計画に対する提言、国連「零細漁業と養殖の国際年」に向けたプレ・イベントの開催、世界食料フォーラムへの代表者の派遣、連続講座の継続などを通じて、引き続き活動の趣旨と意義を訴えるとともに、日本各地で行われる活動にも参画して、対話で共感を広げる活動を展開していくと述べました。

討論では参加者から、地域版の家族農林漁業プラットフォームを作った和歌山と福島からの報告や、新規の有機農業者を中心としたファーマーズマーケットの活動(名古屋市)、中山間地域の厳しい現実と運動(長野)、地域プラットフォーム作りへの課題(埼玉)などの発言が相次ぎました。

総会には団体、個人会員および委任状を合わせ、過半数の出席があり、常務理事会から提案された議題はすべて全会一致で承認されました。また新たに、亀岡孝治氏(一般社団法人ALFAE代表理事、三重大学名誉教授)、吉武悠里氏(生活協同組合あいコープみやぎ代表理事常務)、吉野隆子氏(NPO法人全国有機農業推進協議会理事、オーガニックファーマーズ名古屋代表)が理事に選出されました。

(川島 卓 記)