家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)は1月31日、参議院議員会館において記者会見及び院内集会を開催。政府が3月に第5期「食料・農業・農村基本計画」を決定するのを前に、FFPJとしての提言を発表しました。この提言はFFPJの会員に意見を募り、1月21日にワークショップを行なって提言書として取りまとめたものです。会場には報道関係者や国会議員など約60名の参加があり、活発な意見交換が行なわれました。
発表はまず、関根佳恵常務理事が「国連『家族農業の10年』と行動計画の策定」と題し、今回の提言はSDGsを実現して持続可能な社会へ移行するための意見をボトムアップで集約したもので、日本の行動計画(National Action Plan)を策定する基礎ともなり得ることを説明しました。続いて村上真平代表は提言の考え方として、持続可能という言葉を使うときには、現在の社会は持続可能ではないという認識を共有すべきであることを強調しました。
会場からは、安倍農政に対する評価、自然農法を推進することの意義などの質問や、6次産業化は一つの経営体でなく地域一体となって進めるべき、本来の旬の時季に食す食べ方への改革が必要、流通のデジタル化・アルバイト化に伴って食材の価値を見極められる職人が育たなくなっているといった意見のほか、成長産業から持続産業へ大転換させるメッセージとして、現在の農政に対するアンチテーゼをもっと明確に打ち出すべきといった提起もありました。
なお提言の発表に先立ち、村上代表ら4名が農林水産省を訪問し、山口靖大臣官房政策課長に提言書を手渡すとともに、次期基本計画に向けた考え方について、意見交換を行ないました。その中で、FFPJが主張する多様な担い手の共存には一定の理解を示したものの、規模拡大を目指す経営体を優先的に支援する姿勢に変わりはないように見受けられました。FFPJでは今後、一連の議論を踏まえて、日本の行動計画の策定に向けた活動を活発化させていきます。
(川島卓)
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